「自分でライブハウスを作るなら、いくら必要なんだろう?」
500万円くらい?
それとも1,000万円?
ライブハウスには普通の店舗にはない防音・防振工事やPA・照明設備などが必要になるため、調べてみるとかなり大きな金額が出てくることがあります。
ただし、「ライブハウスの開業資金は○○万円」と一律に決めることはできません。
物件の広さや立地、居抜きかスケルトンか、どこまで防音するのか、どんな音響設備を入れるのかによって大きく変わるからです。
そこで今回は、実際に公開されているライブハウスの開業事例なども参考にしながら、何にどのくらいお金がかかるのかを見ていきます。
※以下の掲示板形式のやり取りは、記事内容を分かりやすくするために作成した架空の会話です。実際の5ch投稿ではありません。
掲示板風トーク①「ライブハウスっていくらで作れるん?」
小さいライブハウスなら500万くらいで作れんの?
物件借りてスピーカー置けばいけるやろ
>>11
防音「よろしくニキーwww」
またお前か
PA機材もいるぞ
照明「ワイも忘れんな」
物件「敷金です」
工事「追加費用です」
やめろ
開業する前からワイの財布がタヒんでる
ライブハウスの開業資金は何にかかる?
まず、ライブハウスをゼロから作る場合に考えられる主な費用を整理してみましょう。
- 物件の契約費用
- 防音・防振工事
- 内装・ステージ工事
- PA・音響設備
- 照明設備
- 空調・換気設備
- 消防関連設備
- トイレ・水回り
- ドリンクを提供する場合の厨房・カウンター設備
- 家具・備品
- 開業後に備える運転資金
こうして並べてみると、かなりありますよね。
特にライブハウスの場合、防音・防振と音響設備が大きな費用になりやすいのが特徴です。
実際に5,000万円かかったライブハウスもある
実際の開業事例を見てみましょう。
東京・下北沢のライブハウス「LIVE HAUS」は、2020年の開業時にクラウドファンディングを実施し、開業にかかる費用を公開しています。
当初公開されていた内訳は次のとおりです。
- 物件契約費用:1,400万円
- 基礎工事・防音工事・内装工事:2,200万円
- 音響システム・照明・機材:1,200万円
- 厨房機器:200万円
合計すると5,000万円です。
さらに、その後の取材では追加工事や設備導入などによって、最終的な資金が5,300万円まで膨らんだことが紹介されています。
ただし、ここはかなり重要です。
「ライブハウスを開業するには5,000万円必要」という意味ではありません。
これは下北沢という立地や店舗規模、物件条件、設備へのこだわりなどを含んだLIVE HAUSの一例です。
それでも、「ライブハウスをゼロから作ると、どこに大きなお金がかかるのか」を知る実例としては参考になります。
掲示板風トーク②「5,000万円ってマジ?」
5000万!?
ワイの予想の10倍で草
でも物件契約だけで1400万って相当条件よるだろ
>>47
これ
全部のライブハウスが5000万かかるわけじゃない
それでも防音+内装+機材で3400万か
音楽好きワイ
そっと電卓を閉じる
中古の機材じゃダメなん?
機材は工夫できても建物側はそう簡単じゃなさそう
大きな費用になりやすい「防音・防振工事」
ライブハウスの開業費を考えるとき、避けて通れないのが防音です。
ライブハウスではボーカルやギターだけでなく、ドラムやベースなど大きな音と振動が発生します。
そのため、単に壁へ吸音材を貼れば完成というわけではありません。
壁・天井・床・ドア・換気設備などを含め、建物全体で音や振動への対策が必要になる場合があります。
ライブハウスなどの防音工事を手掛ける阪神防音の掲載例では、ライブハウス向け防音工事について30~60万円/坪という参考価格が示されています。
同社の施工費用例では、50坪で1,300万円~というケースも掲載されています。
ただし、これは阪神防音が公開している施工費用例であり、全国共通の「相場」という意味ではありません。
建物の構造、広さ、周囲の環境、必要な防音性能、工事内容などによって金額は大きく変わります。
掲示板風トーク③「防音ってそんなに金かかるん?」
防音って壁にスポンジみたいなの貼るんじゃないの?
>>76
それでライブハウスできたら誰も苦労せんw
ドラム「ドンドンドン」
ベース「ズンズンズン」
隣人「ちょっといいですか」
一番怖いやつ来た
最初からライブハウスだった居抜き物件探したくなるな
音響・PA・照明にもお金がかかる
次に考えたいのが音響設備です。
ライブハウスでは、客席へ音を届けるスピーカーだけ用意すればいいわけではありません。
営業内容や規模によりますが、ミキサー、パワーアンプ、ステージモニター、マイク、マイクスタンド、ケーブル類など、さまざまな機材が必要になります。
さらにライブ演出を考えれば、ステージ照明や照明を操作するための設備も必要です。
先ほど紹介したLIVE HAUSの例では、音響システム・照明・機材だけで1,200万円が計上されていました。
もちろん、小規模な店舗と本格的なライブハウスでは必要な設備が違います。
中古機材を利用したり、設備構成を絞ったりすることで費用を抑えられる可能性はありますが、必要な性能や安全性、メンテナンスまで含めて考える必要があります。
物件選びで開業費が大きく変わる
ここまで見てくると、ライブハウスの開業費は物件選びの段階から大きく変わることが分かります。
例えばスケルトン物件から作る場合、防音、内装、ステージ、電気、空調などを一から整える必要があります。
一方、以前もライブハウスや音楽施設として使われていた物件なら、既存設備を活用できる可能性があります。
ただし、居抜きだから必ず安く済むとは限りません。
設備が古ければ交換費用が必要になりますし、防音性能や消防設備などが現在の営業計画に合っているかも確認する必要があります。
「家賃が安いからこの物件」ではなく、工事費まで含めた総額で比較することが重要です。
掲示板風トーク④「安い物件見つけたぞ!」
駅からちょっと離れてるけど家賃安い物件見つけた
周り何ある?
普通に住宅
解散
>>113
家賃だけ見て決めるの怖すぎるw
防音工事したら結局高くなるパターンありそう
物件契約する前に専門家に見てもらった方がよくね?
それはマジでそう
工事を始める前に許可や設備基準も確認する
ライブハウスは、お金だけ用意すれば好きな物件で自由に開業できるわけではありません。
音楽などを公衆に見せたり聞かせたりする施設を反復継続して営業する場合、営業形態によって興行場法上の許可が関係します。
さらに消防法や建築基準法など、複数の法令が関係する可能性があります。
飲食物を調理・提供する場合には、飲食店営業についての確認も必要です。
そのため、物件を契約して高額な工事を始めてから確認するのではなく、計画段階で所在地を管轄する保健所や消防などへ相談することが重要です。
「借りてから考える」ではなく、「この物件で予定している営業ができるのか」を先に確認した方が安全です。
開業工事だけで予算を使い切らない
もう一つ忘れたくないのが、開業後のお金です。
無事にライブハウスが完成しても、その翌月から家賃、人件費、光熱費、仕入れなどが発生します。
そして、オープン直後から毎日満員になるとは限りません。
つまり、開業資金を考えるときは、工事や設備だけでなく、営業開始後の運転資金も別に考えておく必要があります。
掲示板風トーク⑤「全部使って最高の箱作った!」
予算全部使って最高の音響入れたぞ
運転資金は?
え?
来月の家賃は?
……
開店初月から満員前提なの草
設備に全振りしたら営業する金なくなりましたは笑えん
ライブハウスの開業資金を抑えるなら何を考える?
開業費を抑える方法として考えられるのは、単純に安い機材を買うことだけではありません。
- 最初から音楽施設として使いやすい物件を探す
- 既存設備を活用できる居抜き物件も検討する
- 必要なキャパシティを大きくしすぎない
- 音響・照明設備の優先順位を決める
- 新品と中古機材を適切に使い分ける
- 工事前に複数の専門業者へ相談する
- 開業後の運転資金を残しておく
ただし、防音や安全設備など、単純に削ればよいとは言えない部分もあります。
「安く作る」より「不要な費用を減らしながら必要なところにはきちんとお金をかける」という考え方の方が現実的でしょう。
結局、ライブハウスの開業資金はいくら必要?
ライブハウスの開業資金について調べてみましたが、やはり「○○万円あれば大丈夫」と一つの数字を出すことはできません。
実際に5,000万円以上かかったライブハウスもありますが、それをすべての店舗へ当てはめることもできません。
小規模な店舗、居抜き物件、既存設備を活用できるケースなどでは、必要な資金構成は大きく変わります。
重要なのは、
- 物件取得
- 防音・防振
- 内装
- 音響・照明
- 空調・消防・水回り
- 各種手続き
- 開業後の運転資金
まで含めて、「店を作る費用」ではなく「店を開けて営業を続けるまでに必要なお金」として計算することです。
最後にもう一言
結局いくら持ってればいいんだよ
物件決めないと分からん
キャパ決めないと分からん
設備決めないと分からん
ワイ「何も分からん」
まず見積もり取れw
まとめ
ライブハウスの開業には、物件、防音・防振、内装、音響、照明、空調、消防設備など、さまざまな費用がかかります。
特に防音工事は物件条件によって費用が大きく変わるため、家賃だけを見て物件を選ぶのは避けたいところです。
また、設備へ予算を使い切るのではなく、開業後の運転資金も考えておく必要があります。
「ライブハウスを作るにはいくら?」ではなく、「この物件で、この規模のライブハウスを作って営業を続けるにはいくら?」と考えることが、資金計画の第一歩になりそうです。
ライブハウス経営そのものの収入源や固定費については、前回の記事「ライブハウス経営は儲かる?」でも詳しく紹介しています。
※本記事の掲示板形式の会話は、実際の5ch投稿を転載したものではありません。公開情報やネット上で見られる意見などを参考に、記事内容を分かりやすく紹介するために編集・作成した架空のやり取りです。

