音楽業界の仕事を調べていると、ときどき出てくる「A&R」という言葉。
PAや照明、マネージャーなら何となく仕事内容を想像できますが、「A&Rって何をする人?」という人も多いのではないでしょうか。
A&Rは、レコード会社などで新人アーティストを発掘したり、担当アーティストを育成したり、楽曲や音源の制作を進めたりする仕事です。
現在のユニバーサル ミュージックのA&R採用情報を見ると、新人アーティストの発掘・スカウトから、楽曲選定、レコーディング、制作チームとの調整、リリース戦略まで、かなり幅広い仕事を担当しています。
今回は、そんなA&Rが音楽業界で何をしているのか、初心者にも分かりやすく紹介します。
※以下の掲示板形式のやり取りは、記事内容を分かりやすくするために作成した架空の会話です。実際の5ch投稿ではありません。
掲示板風トーク①「A&Rって何の略なん?」
音楽業界の求人見てたらA&Rって出てきたんだが何これ
なんかの音響機材やろ
>>5
適当すぎて草
Artist & Repertoireや
レパートリーって何やねん
名前聞いても仕事内容分からんぞ
新人見つけてくる人じゃなかったっけ
ライブハウスの後ろで腕組んで「こいつ売れる…」とかやってる人?
漫画の読みすぎで草
今ならSNSから探すこともありそう
発掘した後は何するん?
A&Rとはどんな仕事?
A&Rは「Artist and Repertoire(アーティスト・アンド・レパートリー)」の略で、レコード会社などでアーティストや音楽作品に深く関わる仕事です。
仕事内容は会社やレーベルによって異なりますが、現在のユニバーサル ミュージックの邦楽レーベルA&Rでは、主な仕事として次のような業務が挙げられています。
- 新人アーティストの発掘・スカウト
- 担当アーティストの育成
- 制作ディレクション
- 楽曲選定
- 編曲の依頼
- レコーディングへの立ち会い
- プロデューサー・作家・アレンジャーとの調整
- リリース戦略の立案
- 音楽市場のトレンド分析
- 予算・スケジュール管理
また、ESPエンタテインメント東京のマネージャー/レコード会社専攻では、新人開発からプロモーションのプランニング、音源収録、ライブ実施まで、アーティストを売り出すための実践的な内容を学びます。
つまりA&Rは、単に「新人をスカウトする人」ではありません。
才能を見つけ、そのアーティストとどんな音楽を作り、どのように世の中へ届けていくのかを考えながら作品づくりを進める仕事と考えると分かりやすいでしょう。
A&Rの主な仕事内容
A&Rの仕事は大きく分けると、アーティストを「見つける」「育てる」「作品を作る」「世の中へ送り出す」という流れで考えることができます。
① 新人アーティストを発掘する
A&Rの代表的な仕事が新人アーティストの発掘です。
ユニバーサル ミュージックのA&R採用情報では、ライブ、SNS、各種メディアなどをリサーチし、新人アーティストを発掘・スカウトすることが仕事内容として明記されています。
新人アーティストとの出会い方には、ライブやオーディションなどさまざまな方法があります。現在はSNSや各種メディアなども、新しいアーティストを知るきっかけの一つになっています。
つまり、ライブハウスだけを見ていればよいわけではありません。
SNSなども含めてさまざまな場所から新しい才能を探していく仕事なんですね。
② アーティストを育成する
才能のあるアーティストを見つけたら、それで仕事が終わるわけではありません。
A&Rは担当アーティストの育成にも関わります。
どんな音楽を作るのか、アーティストの魅力をどのように伸ばしていくのかなどを考えながら、長期的な視点で作品づくりや活動に関わっていきます。
ESPエンタテインメント東京のマネージャー/レコード会社専攻でも、アーティストを売り出していくためのマネジメントやプロモーションなどを実践的に学ぶ内容が用意されています。
掲示板風トーク②「SNS見てるだけで給料もらえるん?」
新人探すためにTikTokとかYouTube見るのも仕事になるんか
ワイ毎日見てるからA&R向いてるわ
>>50
お前は猫動画しか見てないだろ
草
でも「再生数多い=売れる」で決めるわけじゃないやろ?
そこを見る目が仕事なんじゃね
まだ誰も知らん人見つけて売れたら脳汁すごそう
なお全員売れるとは限らない模様
それはそう
楽曲制作にも深く関わる
A&Rのもう一つの重要な仕事が音楽制作のディレクションです。
ユニバーサル ミュージックでは、A&Rの仕事内容として、
- 楽曲選定
- 編曲の依頼
- レコーディングへの立ち会い
- 音源制作の進行管理
- プロデューサー・作家・アレンジャーとの調整
などを挙げています。
アーティスト本人だけで楽曲が完成するとは限りません。
作詞家、作曲家、アレンジャー、プロデューサー、レコーディングスタッフなど、多くの人が作品づくりに関わる場合があります。
A&Rは、そうした制作チームと連携しながら音源が完成するまでの制作を進めていく役割も担っています。
A&R自身が曲を作るの?
ここで勘違いしやすいのが、「A&R=自分で曲を作る人なの?」という点です。
A&Rという職種そのものが、必ず作詞・作曲や編曲を担当するという意味ではありません。
現在のユニバーサル ミュージックの仕事内容でも、楽曲選定や編曲依頼、レコーディングへの立ち会い、制作チームのコーディネートなどが挙げられています。
つまり、自分一人で曲を作るというより、アーティストやクリエイターと一緒に作品づくりを進める立場と考えた方が分かりやすいでしょう。
掲示板風トーク③「曲作れないとA&R無理?」
ワイ作曲できないから終了
別にA&Rが全部作曲するわけじゃないぞ
じゃあ「この曲で行こう」みたいなの決める側?
作家とかプロデューサーとかと調整する仕事もあるっぽい
ワイ「サビもっとドーンって感じで」
>>103
語彙力ゼロで草
でもクリエイターに意図伝える力は必要そうだな
音楽好きなだけじゃ結構難しそう
リリース戦略にも関わる
良い楽曲を完成させるだけで終わりではありません。
完成した音楽を、どのようにリスナーへ届けていくのかも重要です。
ユニバーサル ミュージックでは、A&Rがマーケティング担当や宣伝担当と連携してリリース戦略を立案することも仕事内容に含まれています。
一方で、同社にはA&Rとは別にマーケティングプランナーなどの職種もあります。
そのため、A&Rが宣伝やマーケティングをすべて一人で担当するという意味ではありません。
A&Rとマーケティング・宣伝などの各担当者が連携しながら作品を世の中へ送り出すという形です。
音楽市場のトレンドを見ることも仕事
A&Rには、新しい音楽やアーティストを日頃からチェックすることも求められます。
現在のユニバーサル ミュージックのA&R求人では、音楽市場のトレンド分析と企画立案も仕事内容として挙げられています。
新しいアーティストを発掘したり、作品づくりやリリース戦略に関わったりする以上、現在どのような音楽が聴かれ、どんなアーティストや楽曲が注目されているのかを知ることも重要です。
単に自分の好きなジャンルだけを聴くのではなく、幅広い音楽や市場の動きに目を向けることが求められる仕事なんですね。
掲示板風トーク④「音楽好きならA&R向いてる?」
年間5000曲くらい聴いてるワイの出番か
何聴いてるん?
90年代ヴィジュアル系
>>133
最新トレンドどこ行ったw
古い音楽知ってるのも無駄ではないやろ
昔の音楽から今の音楽まで知ってた方が引き出し増えそう
結局いろいろ聴けってことか
ワイのプレイリスト偏りすぎ問題
A&Rとアーティストマネージャーの違いは?
前の記事で紹介したアーティストマネージャーとA&Rは、どちらもアーティストに近い仕事なので混同しやすい職種です。
ただし、基本的な役割には違いがあります。
アーティストマネージャーは、スケジュール管理や現場同行、出演交渉、プロモーションなどを通じて、アーティストの日々の活動を幅広く支える仕事です。
一方A&Rは、レコード会社などでアーティストの発掘・育成や音楽作品の制作を中心に関わる仕事です。
ただし、会社の規模や組織によって担当範囲は異なり、仕事内容が重なることもあります。
「マネージャーはアーティストの活動全体を身近で支える」「A&Rはアーティストと作品づくりを進める」というイメージから入ると、違いを理解しやすいでしょう。
A&Rにはどんな力が必要?
仕事内容から考えると、A&Rには音楽の知識だけでなく、さまざまな力が求められます。
- 新しい音楽やアーティストを探す情報収集力
- アーティストの魅力や可能性を見る視点
- 音楽市場やトレンドを分析する力
- 制作を進めるためのスケジュール管理力
- アーティストやクリエイターと連携するコミュニケーション力
- 企画を考え、周囲へ伝える力
- 幅広い音楽への興味・知識
ユニバーサル ミュージックの現在のA&R求人でも、社内外の関係者との関係構築やコミュニケーション力、新しい音楽やアーティストへの感度、情報収集などが重視されています。
A&Rになるのに資格は必要?
A&Rになるために必須となる国家資格があるわけではありません。
現在のユニバーサル ミュージックの邦楽レーベルA&R中途採用でも、必要資格は「特になし」とされています。
ただし、同求人では音楽業界でのA&R実務経験などが応募要件として設定されているため、「資格が必要ない=誰でもすぐにA&Rとして採用される」という意味ではありません。
音楽業界やレコード会社などで経験を積む方法のほか、専門学校などで音楽ビジネス、マネジメント、制作、プロモーションについて学び、業界を目指す方法もあります。
ESPエンタテインメント東京のマネージャー/レコード会社専攻では、プロダクション実習などを通して、新人開発からプロモーションのプランニング、音源収録、ライブ実施まで実践的に学べます。
掲示板風トーク⑤「A&Rやってみたいんやが」
資格なしならワイ明日からA&R名乗ってええ?
>>164
名乗るのは自由だが就職できるとは言ってない
現実を突きつけるなw
レコード会社ってそもそも何してる部署があるんや
A&R以外にも宣伝とかマーケティングとか色々いる
音楽会社入ったら毎日ライブ見られると思ってました
仕事やぞw
でも自分が見つけたアーティストの曲が世に出たら面白そうだな
次は音楽プロデューサーが何してるのか知りたい
まとめ
A&Rは、アーティストを発掘・育成し、音楽作品を形にして世の中へ送り出していく仕事です。
新人アーティストをライブやSNSなどから探すだけでなく、担当アーティストの育成、楽曲選定、レコーディング、制作スタッフとの調整、リリース戦略、予算やスケジュール管理などにも関わります。
そのため「音楽が好き」という気持ちだけではなく、新しい才能を探す情報収集力、音楽市場を見る視点、多くの関係者と作品を作り上げる調整力なども重要です。
普段聴いている一曲の裏側にも、アーティストや作家、プロデューサー、レコーディングスタッフだけでなく、作品づくりを進めるA&Rが関わっている場合があります。
音楽を「演奏する仕事」ではなく、新しいアーティストや作品を生み出す側から音楽業界に関わりたい人にとって、知っておきたい職種の一つですね。
参考:
ユニバーサル ミュージック「邦楽レーベル A&R」
学校法人東放学園「音楽制作・配信の舞台裏」
東放学園音響専門学校「音響芸術科」
専門学校ESPエンタテインメント東京「マネジメント/制作コース」
※本記事の掲示板形式の会話は、実際の5ch投稿を転載したものではありません。公開情報やネット上で見られる意見などを参考に、記事内容を分かりやすく紹介するために編集・作成した架空のやり取りです。

